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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『可憐! 胡乱路秘子デビューライブ!』(6)
まばゆく輝く、あのステージ。あと少し。もう間もなく、そこへと集う視線の全てが、自分のものに。期待は、秘子の肩をぶるると揺らしました。
「さあ、こちらですわ。秘子さん」
「いよいよだね、秘子ちゃん!」
「……ええ。おふたりとも、本当にありがとうございます」
衣装係を務めた
毒島 虹子
と、マネージャー役の
八十八旗 信彦
、ふたりの導きで、秘子は震えそうな足でゆっくりと、歩きます。目の前、あのステージへと。
滑らかな赤いドレスは、虹子の丹念なケアによってすっかり乾いて元のきらめきを取り戻し、桃色の髪は艶めきふわりと広がって。
微笑みます。んふふ!
先ほどにはコンテストにも使われた丸い舞台、その周囲を囲む観客席には、無数のレンズ・キャッツたち。にゃあにゃあ、にゃあにゃにゃあ。そのカメラ・アイの向こうには、深夜に眠れない視聴者たちの、熱狂の眼差しが満ちています。
「いよいよ、都市伝説の誕生ですね。その瞬間を、こうして目にすることができるなんて!」
黒猫たちに混ざって、
花菱 朱音
はわくわくとして、その時を今か今かと待ちわびています。
照明の落ちた観客席に浮かびあがる、ぴかぴかと輝く赤と緑のサイリウムは、
後木 真央
のもの。まだ始まってもいないのに、いわゆるひとつのオタ芸ばりにぶおんぶおんと両手を振って、
「L・O・V・E! らぶりぃ秘子ちゃーん! がんばるのだ真央ちゃんはいつでも応援してるのだ~~~っ!!」
そんな声に呼応するかのように、スピーカーから届く、視聴者たちからの熱い声援。
「ダメだ、待って胡乱路さん……っ!」
足元にまとわりつく黒猫たちをかきわけながら、びしょ濡れの
矢萩 咲
は叫び、必死に手を伸ばします。ぶにゃあ、ふぎゃあと黒猫の抗議の声が響く中、信彦がカメラへ向かって肩をすくめて、
「しょうがないなぁ。無粋だよ、咲ちゃん先輩」
ぱちり! 指を鳴らすと、
「
スタッ
フゥー!
スタッ
フゥー!」
咲は瞬く間に、赤い腕章を身に着けたスタッフたちに取り囲まれて、
「クッ……! やめろ、離せッ……胡乱路さん!!」
どこかへ運ばれていってしまいました。
「ふうやれやれ。大丈夫、君のデビューは俺たちが、ばっちり後押しするからね!」
「さあ秘子さん、もうすぐですわ」
消えていく咲の後ろ姿をどこか心配そうに振り返った秘子の背へ、虹子が手を添え、ステージへと促します。
観客席へついと視線を巡らせると、そこには他に、いくつも見知った顔があり、彼女を案ずるように眉根を寄せています。
「……もう、止められないのかな……」
ロベルト・エメリヤノフ
が伝えた言葉に、彼女の夢を応援する気持ちにだって、嘘はありません。だからこそ、ロベルトの表情は複雑極まるものです。
この場の誰にも、葛藤がありました。けれど、
恵御納 夏朝
はそれを振り払うかのように、
「こうなっちゃったら、もう、仕方ない。彼女があきらめないのなら……せめて、盛り上げる!」
くるりと一回転、夏朝はひらひらの可愛らしいアイドルコスチュームに変身。決意を口にしました。止められないのなら。もう、どうしようもないのなら。
せめて彼女の夢が、素晴らしいデビューを飾れますように。
「うんっ、そうだね! こうなったらもう、思いっきり盛り上げてあげようよ!」
じゃららん、
雨寺 凛
の手にはもちろん、愛用のギター。明るく笑って、
「都市伝説になっちゃったって、きっとフツウに戻って来られる方法はあるよ。だから今だけは、めいっぱいに。ね!」
「ええ……そうね。そうしましょう」
遠く目を細めて、ステージ上へ姿を現した、赤いドレスの彼女を見つめて。
黒依 アリーセ
もまた、
「いつかまた、一緒に歌える時を信じて。今は彼女の夢に、彩りを添えましょう」
同じ想いを抱える彼女たちの決断に、やがてロベルトも、うなずいて。
「分かったよ。今は、胡乱路を応援しよう。僕たちの、友だちの夢を……」
ひとりステージへ立った秘子の全身は、あからさまに震えて見えました。
それでも彼女は、いつも絶やさないあのにんまりとした笑顔のままに、ドレスのスカートをついと両手で吊り上げてお辞儀をし、スタンドマイクへゆっくりと、わななく唇を近づけ、
「…………んふふ」
口を開きます。
「ごきげんよう。あるいは、初めまして……
胡乱路 秘子
です。今夜は、わたくしのデビュー・ライブをご覧いただき、ありがとうございます。んふふ……分かりますか? わたくしちょっぴり、緊張してしまっておりますけれど……だって今夜は、わたくしの、夢だったんです。ずっとずっと、この時が来るのを待っていたんです。もう、ずうっと長い間。だから……わたくし、せいいっぱい歌いますね。皆さま。聞いてください……わたくしの、デビュー曲を!」
彼女の、夢。孤独と絶望から脱却するための、待ちわびたその瞬間。
軽やかなピアノの前奏は、彼女にとって、望み欲した希望。流れ出したメロディに、マイクを両手で包み込むようにして、口を近づけ……。
そして。
そしてその瞬間は、訪れました。
「……ん? 虹子ちゃん、それは何だい?」
気付いたのは、舞台袖から見守る信彦でした。
隣に立つ、衣装係。彼女の小指にくるくると巻かれた、赤い糸。細く、遠目には見えず、観客席から見つめる人々は、気付きもしなかったでしょう。
「ふふ。ふふふ」
信彦の問いには目もくれず、彼女は微笑みます。
指から伸びた糸、繋がる先は、赤いドレス。今、ようやくにして待ち焦がれた一瞬を迎えんとする、秘子の背中。
「虹子ちゃん……? 一体何を……」
夢をあきらめるも、叶えるも。たとえどちらであれ、それでも誰もが秘子を想い、彼女の行く末を案じていました。
そのあたたかな想いの中に、身を潜めていたのです。自らをひた隠し、機をうかがっていたのです。
彼女は最初から、そこにいたのです。
「……秘子さん。あなたにとって、『MFS!』とは……単なる踏み台に過ぎなかったのですか?」
彼女は、衣装係。嗤う、
毒島 虹子
。
「私の愛する『MFS!』は、あなたにとって……ふふ。ふふふ!」
「!! 止めっ」
信彦が止める間も無く。彼女は引きました。
ぐいと小指の、赤い糸を。
歌い出しの、その瞬間に。
「……え?」
びりびり。びりりと。
背中から裂け、袖がちぎれ、胸元はするりと滑り落ち、腰はぐるりと輪を描くように、まるでかつらむきのように、びりびり、びりりと。
「え…………あ? えっ?」
くるくる、くるくると長いスカートが、円を描いて糸を解いていく様は、どこかマジックのように巧みで、美しく。放射状にするり、するすると、スカートは上から下へ、順に宙へと解けて消えていき。
滑らかに艶めくドレスは、やがてすっかり、単なる散り散りの赤い布切れへと変わり。
後に残ったのは、細すぎるほどに細くて長い手足を持て余し、あばらの浮き出るほどに痩せっぽちで、みすぼらしくちっぽけな、下着姿のひめこ。ただのそれだけ。
「あ。あ あ…………ああ。あああ」
永遠に続くかのような、まるで全てはスローモーション。今まさに、視聴者の視線は、彼女に釘付け。
「ああ あああ…………あああああ ああ、あああああ! あああ、あああああああああ!!!!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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