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MFS! ~あるいは全ての表現者に捧ぐ、夜半過ぎのTVショウ
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『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(9)
人生は、枝分かれする樹々のようなもの。たどってきた幹を振り返ることはできても、その先端は常に細く足元はおぼつかず、引き返すことはできません。できるのは徐々に伸びていく幾本ものか細い枝葉から、どれを選択して進むのかを決めることだけ。
「く、くそ……足が……」
「! 大丈夫か!」
崩れ落ちたコンクリート壁の名残に寄りかかり、苦悶の声を上げる若い男。
志波 武道
はすぐさま駆け寄り、捻挫した彼の足へと手刀を構えて、
「痛むだろう。よし、任せてくれ」
「あ、あんた、何を……」
突きました。ろっこんはすぐにも効果を発揮して、
「痛みが……消えた? 足の感覚が、無い?」
「悪いが、そのまま休んでる暇は無いんだ。すぐに出発しないと……よっ、と!」
ずるりと背を壁に擦らせながら、埃っぽい地面へ腰を落としかけた男を、武道はおもむろに背負います。怪訝そうな顔を浮かべたのは男のみならず、同行する仲間たちもまた同じです。
その中で、
呉井 陽太
がふと、何かに気付いたようにはっとして、彼を見つめました。
「武道君、これ、もしかして……」
「ああ。あの時話した、あの
悪夢
だ。まさか、もう一度チャンスをもらえるなんてな」
ずきり、と鈍い痛み。左腕。
まるで斬り落とされたかのような、ぐるりと赤い痣
。
もちろんのこと、目の前のそれは、恐怖の再来であるとも言えます。けれど、路地裏を抜けた先に広がる世界には死と恐怖の気配が満ちていながらも、武道にとって、これはある種の幸運であるとも言えました。
「そうだ、今度こそ……」
男の決して軽くは無い体重は、まるで自身を苛む罪の重さのよう。
「今度こそ。俺は、迷わない!」
張り巡らされた規制線を、武道は自らの身体で押し破りました。
廃ビル群は様相を一変させ、緑は失われ、半ば崩れ落ち、朽ちかけた廃墟が作る迷路のようです。
武道はその中を、迷うことなく一心に進み続けます。背の男がどこか戸惑いがちに、
「……あんたたち、早く逃げたほうがいいぜ。俺なんか置いてさ。すぐにも連中がやってくる……」
「ああ、分かってる、大丈夫。陽太くん、全員通り抜けたら、そこのドラム缶を元に戻しといてくれるか?」
「これだね? オッケーだよぅ」
ずずず、と陽太が重たいドラム缶で路地を塞ぎ直してくれるのを確認したら、武道は仲間たちを先導しながら急ぎ足、先へと進みます。行くべき道は、全て分かっているのです。
「そう、あの時の反対を行けばいい……」
行く手に、二つの扉。一つは、まだ何とか形を保っているビルの中へ。もう一つは、別の路地へ。武道は迷いなく、路地へと踏み込みます。
「あ、あなたたちは……?」
袋小路に怯えた少年と、身を寄せ合い震える母娘。警戒して尋ねた母親へ、武道は笑みを浮かべて、
「大丈夫、助けに来たんだ。っと、君、怪我してるのか……誰か、悪いけどその男の子をおぶってやってくれないか?」
「……よし。俺に任せろ!」
申し出たのは、
山田 勘三郎
。少年を……あのドラム缶を動かしたことで不穏な影に追いつかれ、消滅する運命だったはずの男の子を、彼はひょいと背中へ乗せると、
「俺だって。今度は、間違えねぇ……!」
自分へ言い聞かせるように、そうつぶやきました。
そう。人生は、枝分かれする樹々のようなもの。武道に限ったことではないのです。誰しも、危うい選択の連続を綱渡りのように続けていて、その結果こそが、今ここにいる彼らなのです。
「……うん。頼むよ。あなたたちも、さあ。一緒に」
武道は母娘へ微笑み、
鴻上 彰尋
と
勅使河原 悠
がふたりの背に優しく手を添え、導いて。
来た道を戻り、ビルの中へ。入り口の扉は完全に締まってしまわないよう、それでいて侵入者を拒むよう、手頃なコンクリートブロックを挟み込んでおきます。
赤い非常灯の仄かな明かりがぽつりぽつりと灯る暗い廊下を進み、やがてぼんやりとした光が漏れ出る部屋へと飛び込むと、
「あ……あんた……!」
「! お前も、無事だったか!」
武道の背から、足の動かない男が転げ落ちるようにして、駆け寄る若い女と抱き合い、互いの無事を確かめ合いました。
涙に濡れた女性。あの時手斧を振り上げ、憎しみ迸るままに武道の左腕を斬り落とした、彼女。打って変わって弱々しいその姿を少し、見つめてから。
武道は、監視室の壁一面に瞬く無数のモニタたちを、厳しい瞳でひと通り見据えた後、仲間たちを振り返ります。
「さて……ここからだ。みんな、俺に力を貸してほしい……」
モニタの中で繰り広げられているのは、死。それそのもの。いくつもの、黒い……揺らめく影のような何かが走り抜けると、纏わりつかれた人間は赤黒い影だけを残し、消えていきます。
どこかの誰かの、選択の果て。選ばれなかった枝葉の向こう。その行く末。
武道はしばし、目を伏せ……決意とともに、再び。
「選択には必ず、犠牲が伴う。それを無くすことは、きっと不可能だ……なら」
少しでも、後悔しないように。結果をあるがまま、受け入れられるように。
(……立ち止まるな。それが弱点でもあり……強みだろ。俺!)
仲間たちはもちろん、力強くうなずいてくれました。
ひとりでも多く。後悔のないように。全力で!
監視室のモニタへ映る情報を頼りに、彼らは奔走しました。かつては武道の選択から漏れた人々も、もちろんそうでない人々も、関わりなく全て、部屋の中へと招き入れました。
あの黒い影の進行を、物理的な障害、瓦礫やドラム缶で阻むことができるのは、既に分かっています。なら、鉄パイプを地面に刺しておいたらどうだ? 影なら、強い光を浴びせてやったら? 思いつくことは全て試し、そのいくつかは確かに効果を発揮し、結果、幾人もの人々を救うことができました。
「この子で最後だよー!」
鬼河内 萌
が手を引いて連れてきた小さな女の子を最後に、モニタの中には、獲物を求めてまごまごとする影たちが映り込むばかりで、人の姿は見えなくなりました。
「……ありがとう。あんたの……あんたたちの、おかげ。みんなが助かったのも……あの人を助けてくれたのも、全部」
「いや、俺たちはやるべきことをやっただけ……うわっとと! マイッタナー俺、テレチャウ☆」
ぎゅう、と武道をあたたかく包んだのが、あの若い女の腕と感謝の情であると気付くと、彼はどこか気恥ずかしくて、ついついいつもの感じが飛び出して。人々へ、広がる笑い声。
監視室やこのビルも、一時しのぎに過ぎないのかもしれません。最後は結局、みんな、あの影に飲まれてしまうのかもしれません。それでも、後悔はありませんでした。
ふと、気付きます。モニタのひとつに映る、自分の顔。それはいつかのように、歪んで卑屈な泣き笑いなどではなく、
「そうさ……これが、俺なんだ」
真っ直ぐで、迷いなく誇らしげな、武道本来の、まぶしい笑顔でした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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