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『決意! 踏み込め、立入禁止のその先へ……!』(7)
綾辻 綾花
の腕の中、ふにゃんと鳴いた黒猫を微笑ましく眺めて。廃ビルに囲まれた交差点を横切りながら、ふと、
勅使河原 悠
は口を開きます。
「私……伝えたいことが、あるんです。胡乱路先輩や、新出府さんに……」
この奇妙な番組で、カメラマンを務める黒猫たち。ひょっとしたらそのカメラ・レンズを通じて、伝わるのかもしれない。そんな期待を抱きながら。
「……伝えたいこと?」
小首を傾げた
三宅 葉月
へ、悠は小さくうなずいて、
「私たちが……きっかけに、なれれば、って、思うんです。この番組が、あのおふたりにも、良い結果に、なれば……変わる、きっかけに、なれば……って。だから、私、伝えたくて……」
「本当かなぁ?」
びくりと。思わず肩が跳ねてしまったのは、背中から聞こえた声に、何だか聞き覚えがあるような気がしたから。
「本当に、そんな風に思ってる?」
ぎぎ、とやけに軋んだように重い首を巡らせて、振り返ります。
「…………ひ」
にこにこ。にんまり。立っていたのは、自分でした。もうひとりの、
勅使河原 悠
でした。
彼女は自分そのもので、あまりにもそっくりで、なのに、何かが根本的に違っていて。恐ろしくて。気付くと悠は逃げ出して、仲間たちの止める声も届かず、ただやみくもに廃ビル群の中を駆け抜けていました。黄色と黒のテープを、知らず突き破っていたことにも気づかずに。
(だ……誰? 何? 私……?)
「そうだよ? 私、私!」
息が詰まり、砕けたコンクリート片に足を取られそうになってよろけながらも、走り続けます。
悠は必死に走っているのに、もうひとりの悠は軽やかに、スキップ。ぽーん、ぽーんと飛び跳ねながら、付かず離れず。
「ふふ。何だかずいぶん、偉そうなことを言ってたけど。本当にそう思ってる? だって」
ぽーん。ぽーん。くるりと回って、
「私にだって、怖いもの。たくさんあるのにね?」
「……っ」
全力で、こんなにも思い切り走ったことはないというくらいに、悠は無機質なビルの合間を駆け抜けます。
それでも、ぽーん、ぽーん。
「ふふ。ふふふ。うん、私のことだもん、分かってる。私が、何よりも怖いのは……」
ぽーん。大きく跳ねて、悠は、朽ちた信号機の上へ。
「変化すること」
いくら走っても、走っても、声は、にんまりとした自分の顔は、ぽーんぽーんとどこまでも付きまといます。
「あ!」
ついに瓦礫へつまずいて、悠はコンクリートの上に身を投げ出して、擦りつけた膝にじんわりと滲む赤が、やけに目に付いて。
「……わ、私……私、は」
「そう。変わることって、必ずしも良いこととは限らないものね。怖いよね」
ぐり、と不自然な角度で覗き込む、自分の顔。自分自身の、歪な笑顔。うあっ、と思わず声を上げて、膝の痛みも忘れて再び立ち上がり、走り出します。
ぽーん。ぽーん。折れ曲がった標識の上を飛び越えて。砕けた窓枠に腰かけて。ぽーん。ぽーん、と。
どれだけ走っても、走っても。
「今の暮らしは、気に入ってる。穏やかで、幸せで……でも自分が変わることで、変化することで、それが壊れてしまうかもしれない。失ってしまうかもしれない。怖いよね」
「う……う。あ……わ、私、は」
もつれて、つんのめり、頭の中は真っ白で。
「そ。誰よりも、変わることを恐れているのは……私。そうだよね?」
ぴたり、足を止めてしまったのは、すっかりあきらめてしまったからではありません。
気付いたからです。
「やめよう? 怖いもの、そんなの。今のままでいいじゃない。穏やかで、幸せで……変わる必要なんて、どこにもない。そうでしょ?」
「…………うん。そう、だね」
人見知りが激しくて。人一倍臆病で、いつもどこかおどおどとしていて。
そんな自分を、変えなくちゃ。ずっとずっと、そう思っていました。
けれど、本当は、
「うん……私、怖かったんだね……変わってしまうことが。変化して、失ってしまうことが。私、ずっと……」
変わることへ希望を抱きながら、誰よりもそこに恐れを抱いていたのは、自分。
怯えていたのは、自分自身。
気付くともうひとりの悠も、不安そうに眉を寄せて、頼りなげに悠を覗き込んでいます。どこか、縋るように。
「……大丈夫」
抱き寄せます。そっと、優しく。もう恐ろしくも、歪にも見えませんでした。だって、もうひとりの悠もまた、自分自身に変わりはないのです。
「何もかも、一度に変わってしまうわけじゃ、ないもの。少しずつ、少しずつ……変わっていけば、いいの。だから……怖くないよ」
「……本当? 本当に、怖くない?」
「うん……怖くない」
ふにゃりと儚げ、微笑んで。
「……もう、怖くない」
聞こえてきた声は、何だかとても懐かしく思えて。
「ああ、いたいた! 良かった、見つかって……うわ、勅使河原さん怪我してるじゃないか! おれ絆創膏持ってるよ、えーっと確かこのへんに……」
ぱたぱたと忙しなくポケットを探り出した図書委員長、
日野 満
の慌てように、悠は、くすり。
マイペースにやってきた葉月が、ふとあたりを見回して、
「……もうひとりのあなたは? 何だか、追いかけられているように見えたけど」
「あ、はい。あの子とは……仲直り、したんです。もう、大丈夫、ですから」
そう答えると、葉月は気の無い様子で、そう、なら良いけど。とだけ言いました。
悠は、思います。あの子は、自分自身。確かに今でも、自分の中に存在しています。恐れが何もかも、完全に消えてしまったわけでは無いのです。
それでも、少しずつ。
(私は……変わっていける。大丈夫。怖くないよ)
胸の中、あの子が笑ったような気がして。つられて悠も、ふんわり、笑顔。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
81人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年07月23日
参加申し込みの期限
2016年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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