this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
12月の★ハッピーバースデー
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
22
つぎへ >>
★
新江 天懸
のBD(
大天使 天吏
)
それは、本当に偶然の出会いだった。否。本当に偶然の、必然の出会いだったのかもしれない。
その日。
新江 天懸
の誕生日。クリスマス前の賑わうシーサイドタウンで。
そこだけ時が切り取られたかの様に、灰色の目を持つ金髪の姉弟が出会う。
誕生日であろうがなかろうが、彼には関係がなかった。家には誕生日を祝ってくれる家族が待っている訳ではなかったから。
いつも通りナンパをし、適当に遊んでその子と別れ、何も残らない心で時が過ぎた事だけ感謝しながらシーサイドタウンから帰ろうとしていた時。
天懸はその人を見つけてしまったのだ。
それは、人だった。眼帯をつけ、あの人間らしくない笑みとは違う普通の微笑みを浮かべ、彼女は街にいた。
人の流れの中、天懸は1人立ち尽くす。どうしてだろう。彼女と自分の間には、なぜか誰も邪魔をしない。このままでは見つかってしまう。それでも天懸は指1本動かせず、木偶の坊の如く立ち続ける。それはまるで魔法にかかってしまったかの様だ。見つけて欲しい、という魔法に。
そしてとうとう。
魔法使いが振り返った。最初から天懸がそこにいるのが分かっていたかの様に、微笑みを浮かべ、金色の美しい髪に街の空気をふわりと含ませながら、振り返った。そして、その口から呪文が零れ落ちた。
「……天懸」
血を分けた実の姉、
大天使 天吏
の灰色の瞳が、天懸の灰色の瞳を捕らえる。美しき魔法に、天懸は落ちた。
「……久しぶりね天懸」
天吏は軽やかに天懸の前に立った。久しぶり。そう、久しぶりだ。天懸が親元から離れこの島に来てからというもの、お互い顔は見かけるもののまともに喋る事など初めてなのだ。
「どうしたの、天懸? 怖い顔して固まっちゃって。お人形みたいよ」
そう言っておかしそうに天吏はクスクス笑う。しかし天懸は未だ声を出す事すら出来ない。おかしい。まるで自分の人間らしい仕草を全てこの姉に吸い取られているかのようだ。
あんただって今まで俺に話しかけてこなかっただろ。何で突然。これでは……、これではまるで俺達は普通の姉弟みたいじゃないか。
脂汗をかきかけてる天懸の顔を、突然天吏はその美しい顔から表情を消し、灰色のガラス玉の様な瞳でじっと見つめた。チキチキ……チキチキ……。まるでアンドロイドが天懸からデータを読み取っている様だ。思わず息を呑んだ時、パッと天吏の顔に微笑みが戻った。
「天懸は今日誕生日じゃなかったかしら……?」
「え……?」
突然の姉の問いに天懸はますます混乱する。何を姉ちゃんは言ってるんだ? あんたは俺の、いや、そもそも他人の誕生日なんかに興味はないだろう?
しかし天懸の戸惑いをよそに、天吏は姉らしい、柔らかな微笑みを見せた。
「ええと……おめでとう、天懸。<家族>なんだから今日は一緒に過ごしましょう」
そして彼女はおもむろに天懸のがっしりした手を取り、雑踏を歩き出した。
もう天懸は引っ張られるままだ。白く細い天吏の手の体温だけが、彼にこれが現実だと教えてくれる。
こんなに、小さな手だったっけ? 遠い遠い昔、繋いでくれたあの手は、俺より大きかったはずなのに。―――覚えてるか? 姉ちゃん。
クリスマス前のシーサイドタウン。華やかな街並とたくさんの笑顔の買い物客に囲まれながら、彼らも普通の家族の様に、恋人同士の様に楽しい時を過ごした。
ショーウィンドウを2人で冷やかし、休憩がてら寄った喫茶店では誕生日だからとお互い小さなケーキを食べた。戸惑いながらも訥々と話す天懸、その目の前でケーキを食べながら楽しそうに笑う天吏。まるで2人の間には今まで何1つわだかまりなど無かったかの様だ。
―――そう、彼らの間には、何1つ、無かったのだ。
喫茶店を出るともう外は暗くなっていた。ちらりちらりと重たい夜空から雪が舞い始める。
「……そろそろお別れの時間ね」
天吏は白い息を吐き、優しい笑みを見せた。
「それじゃあね。天懸」
小さく手を振り、彼女はくるりと背を見せる。その右手を天懸はガシリと掴んだ。
「……今までの事、全部演技だろ」
ハッキリと言葉をその背にぶつける。
和やかに終わった姉弟の再会。これ以上ないくらいの大成功だろう。けれど、何故か天懸は姉といた気がしなかった。目の前にいる笑顔を浮かべる姉。何かよく分からないが、彼女は俺を愛してなんかいない。見てなんかいない。
さあ、振り向け。そして見せてくれ。あんたの顔を。
姉ちゃんの、顔を。
はたして。天懸の前でゆっくりと天吏は振り向いた。
彼女はその唇に、奥底の何かが切れてしまったかの様な例えようのない笑いを浮かべ、焦点がぼけた灰色の瞳は天懸のはるか彼方を見据えていた。
そしてようやく彼は理解した。
姉が、ここにいる。
「ええ、そう。今の私は実験しているだけよ。人間としての学習実験」
今までと打って変わったひんやりとした声にも、その話す内容にも、天懸は驚かなかった。それどころか、どこか納得すらしていた。
「……家族、出来てた?」
白く冷たい手のひらで天吏はそっと天懸の頬を包む。その冷たさに天懸は悲しくなった。俺がこの手を握っても、もう彼女は温まらないだろう。
天懸の揺れる瞳に天吏はくすくすと笑う。それはそれは楽しそうに。
「人間らしく生きるのは大変ね」
「……姉ちゃん」
天懸は掠れた声で呼びかける。俺の声は届くのか? いつから届いていない? ―――確かに、俺達は家族だったはずなのに。
「……貴方とは、苗字がもう違うのね」
アラエ、アラエ、と天吏は呟く。そしてあははと笑った。
「離婚。結婚。家族。ああなんてめんどくさいの!」
そう言いながら空を見上げ、笑いながら眼帯姿の天吏はくるくると回る。周囲の人はぎょっとしながら彼女を避けて通る。それでも天吏はお構いなしだ。そして天懸の目の前でぴたりと止まった。
「……でもまあ、金と灰色は一生私と貴方を結び付けるわ」
両腕を伸ばし、顔を寄せ、天吏は天懸を抱きしめる。離れがたい恋人の様に。金色の髪と灰色の瞳がまるで元は1つだったかの様に重なり合う。
「―――愛してる」
耳元で囁かれる天吏の言葉。実験はまだ続いているのか、それとも。
彼女の抱擁を受けながら、ああと天懸はその瞳を閉じた。
……やっぱり、俺は姉ちゃんを許す、しかない。
<< もどる
1
…
4
5
6
7
8
…
22
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
12月の★ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
25人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月16日
参加申し込みの期限
2016年02月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!