僕の名前は
梅戸 有留。週末はアルバイトに明け暮れるごくごく普通の高校生。なんだけれど、最近“睡眠の秋”気味なのか、眠たい平日だったので、今週末は珍しく休みをとることにしていたんだ。一日マッタリしてようかなあって思っていたんだけれど……
ピーピーピー
午前5時、僕の携帯電話が鳴ったんだ。このアラームはアルバイト紹介サイト「Nyago Worker(にゃーご ワーカー)」に登録し多くの職種をそつなくこなしているワーカーにしか届かない緊急求人の知らせ。一体何があったんだろう?
<急募>一日でぶどう500キロさばいて!<つまみ食い歓迎>
……な、何だって!?
寝子島の「山猫農園」が窮地に陥っているみたいなんだ。昨晩突如島を襲った嵐が、敷地の一角で育てられている寝子島ブランドのぶどう「ネコーゼ」を痛めつけた。いくつかは粒がぼとぼとと地面に落ち、木に成ったまま耐えたものにも傷が入っていしまい、市場へ出荷できなくなってしまったそうなのだ。
そこで園長さんは考えた。傷ついたぶどうたちとはいえ味は確かだ。全てさばけるよう、今日はフル回転でぶどう狩りツアーを敢行しよう。さらには落ちたイチゴをジャムにしたり熟れすぎたトマトをケチャップにするように、このぶどうたちも何かに加工して売ってみよう。
いずれにせよ人が要る。猫の手も借りたい。
「儲けにならなくてもいいのです。私が丹精込めて育てた甘い甘いネコーゼを、今年もたくさんの人に味わって欲しいのです! 一緒に手伝ってくれる方、超急募です!」
緊急求人に書かれている園長さんの思いは微お休みモードの僕を奮い立たせた。気がついたら応募するボタンを押していたんだ。準備しながらできる限り知り合いにメールして、ねこったーでもつぶやいて……やるだけのことはやってみた。人から人へ伝わって、少しでも今日の事態を知る人が増えてくれればいいな。
農園の看板が見えてきたぞ。まだ午前7時。今日中に500キロ、必ずさばき切るぞ!
毎度お世話になっております。しばらく寝子島を離れておりました、あけおめことよろ小西秀昭ですっ!
「アルくんのバイトシリーズ」第6弾と相成りました。どうぞ今年も有留をお願い申し上げます。
ガイドは有留視点ですが、本編はいつもの視点に戻ります。
今回はタイトルの通り一日で500キロのぶどうを全てさばくシナリオです。
アルバイターとして農園で働いてぶどう狩りに来た人の相手をするもよし
はたまたぶどうをジュースやジャムに加工して振る舞うもよし
ぶどう狩り客としてぶどうを食べまくるもよし
ぶどう農園を舞台に好きに行動するもよし
いつも通り自由なシナリオです。
以下は参考までに、お時間あれば読んでみてください。
<山猫農園>
寝子島マップのI-5付近に位置する農園。
園長は古津育男(ふるついくお)38歳。猫背で引っ込み思案だが作物を育てることにかけては熱い男。
山猫の大きな看板が目印。入り口横にはお土産屋とカフェ(という名の休憩所)が併設。普段はほぼ無人。敷地はそれなりに広い。
<寝子島オリジナルぶどう「ネコーゼ」>
山猫農園によって開発された品種。形は普通のぶどうと違って、たたずむ猫のような形をしている。
さほど大きくないが一粒一粒がとても甘い。
嵐に襲われ500キロ分が出荷不可能に。
皮は厚いので果実が痛んでいることはない。
落ちても地面は清潔な草原なので汚れていない。洗えば問題なく食べることができる。
加工しても美味しいだろう。
<ねこったータグ「ぶどう」検索結果より抽出>
「ぶどう農園でアルバイト急募です。誰か一緒に働きませんか?」
「<拡散希望>ぶどう屋さんが困ってるんだってー誰か助けてあげて!」
「ぶどう狩りが今日限り時間無制限! これは行くしか!」
「今日は一日天気いいみたいだしぶどう狩りでも行こうかー」
<最後に>
アルバイトは午前7時開始(終了時間未定)ですが途中参加もOKです。一応お金も出ますしぶどうは食べ放題!
マスコメ冒頭にも書きましたが、アルバイト参加じゃなくても構いません。
サンプルアクションも参考にしつつ、一番楽しめそうな方法でご参加くださいませ。