夕暮れの旧市街、そのレトロな街並みの中に
すっかりと溶けこむ一軒の豆腐屋があった
古びた外観、辺りに漂う大豆の匂い
・・どこからかあの独特な笛の音が聞こえてくるような感じさえする
そんな豆腐屋の中を覗いてみると、一人の男性が笑顔で声をかけてきた
「いらっしゃい、今日は何をお求めかな?」
うわ、やっぱ世間狭いわ!
うちのクラスにかなちゃんの彼氏おったんか。ちゅーかかなちゃん、彼氏いたんか。
こおたんくん? そんな子ぉいたかな?
あたしのカレシはねー、見た目チャラいしときどきエロいけど、優しくて頼りになる、ええ子やで。
向こうも夜バイトしてるから、あたしもバイト遅くなった時は待ち合わせしたり。
ほら、今度はかなちゃんの番!
あ、おじさん。ごぶさたしてますー。(ぺこり)
いやー、一人暮らししてみたいておかんに話しましてんよ。
ありがとうございますー。このへん知り合いとか誰もおらへんから、頼りにさしてもらいます!