伝統ある古いお寺の縁側。
庭は木々や花々、波もように整えられた石など見た目は綺麗。
坊さんの邪魔さえしなければ、何しても良いようです。
時折、近所の人の憩いの場や、相談事をするスペースとして使われます。
※マナーは適度に守りましょう
※寺の敷地内ですから殺生は禁物です
なら、僕も話そう。
古い話だから、ちょっといろいろな説が飛び交っているけど・・・僕が聞いた話はね・・。
子供たちの間に流れる、古い都市伝説がある。
もう語る人も少ない話。
この近くには、街の人々が行きかう道の中に・・変わった交差点があった。
その交差点は昔から事故が多く、
十字路だった道も、1つが潰れ、気づけば三叉路となっていた。
ある日のことだ。
夕暮れに、一人の少女が道を通りがかった。
その日はやけに霧が濃くて、目の前も霞むほどだ。
薄気味悪がって通り抜けようとすると・・・猫のなく声が聞こえる。
彼女はおどろいた。
振り向くと、先日なくなったはずの自分の猫が、道の上にいたからだ。
潰れて消えたはずなのに、真っ黒な道がそこに出来ていた。
その先に何があるのかは、霧が邪魔で見ることは出来ない。
猫が走り出すのに合わせて、少女も走り出した。
道の奥・・・あっち側へ吸い込まれるように。
それ以来、霧の立つ日に道を通ると・・・いないはずの人影と道が見えるという。
通り過ぎてから振り返ると――消えている。そんな不気味な噂。
その交差点は迷い交差点と言われるようになった。
そして道は封鎖され、今ではもう誰も、その交差点にたどり着くことは出来ないという・・・。
・・・という噂、だったのだ、けど。
(と言いかけたところで一息入れて)
・・・あ、二人ともお茶でも飲む?