木々の葉の間から温かな光が弱く差し込む。
心地よい静寂に満たされたその場所は、周辺の猫たちの集会場所になっているらしい。
猫好きな人なら、集う猫たちに誘われて、この場所を訪れることができるかもしれない――
花風 冴来さん、花風 冴来さん……
(また指を折って名前を繰り返す
両手の指を全て倒すと「覚えました」とこくんと頷いて)
私は二年生、です……芸術科の…
(足元にをよく見れば、彼女のものなのだろう細長い鞄が置かれている)
………お家、ですか? 特に無い、ですが……。
(くてん、可愛げに小さく首を傾げて「家は無い」と、そう言った)