草木の生い茂った九夜山の奥にあるこの社。
今日も変わらず、ゆっくりと時間が流れている。
◇雑談や独り言などご自由にどうぞ。
社周辺に手をくわえたりも自由にどうぞ。
私の方はこの子の付き添いみたいなものだけどね。
でも、此処に興味があるのは同じだわ。
どんな神様が祀られていたのかとか、少し気になるし。
(そう口にして周囲へ軽く視線を巡らせる。
人々から忘れ去られて久しいであろう社。
長い年月雨風に晒された影響か
看板に書かれた文字も、今はもう読み取ることが出来ない。
調べたところで充分な情報を得られるかは怪しいものだが
それはそれとして、知ろうとしない理由にはならない。
そんなことを思う。)
あら。優しい人ならもう此処にいるじゃない。
此処で日向ぼっこするぐらい
のんびり屋さんな陰陽師のお兄さんが。
(少女のいう「優しい人」とは、要するに彼のことらしい。
彼の反応が可笑しかったのか、くすくすと楽しげな笑いを零し)
ほら、卑弥呼。
隠れてばかりいると隠れ癖がつくわよ?
大丈夫。この人は怖いことなんてなんにもしやしないわ。