裏設定も兼ねた小ネタ話をちょっとずつアップ予定
「今から見せるのは僕がいつも寝不足な理由にまつまるちょっとしたお話さ
もちろん信じるかどうかはアナタ次第、だけどね・・」
目が覚めて最初に感じたのは頬の痛み。触れるとほんのりと熱を帯びていた。
決して心地いいとはいえない目覚めに、体は起床を拒んでいる。良くも悪くも平常運転だ。
寝起きのあとが残った頬を擦りつつ、気だるくあくびをすると同時に
閉門10分前を告げるアナウンスが静寂に包まれた校舎に響き渡る・・
どうやら僕は長い時間、机に突っ伏し眠っていたらしい
誰か起こしてくれたらいいのになぁ・・そんな事を呟きながら
いつもの要領で肩の凝りを揉みほぐしながら立ち上がり
携帯の電話帳のスクロールに集中しながら校門へと歩を進める
自分の不注意とはいえ部活動に無断欠勤してしまった旨を連絡しようか迷いつつ
結局のところ僕は違う連絡先へと通話しようとしている・・
マイペースなんてのは言い換えるとただの自己中なんだと自分自身に呆れ返りながら
満たせない心の飢えを満たすため、非日常に毒され日常では得られないスリルを貪欲に欲し
【お得意先】にこれから告げるであろう無理難題を頭の中で反芻させながら
昼行灯として失笑の対象となっていた一人の少年は
夜と同時に湧き上がる衝動を煌々と心奥底で燃やしながら
・・誰も周囲にいない事を確認し、静かに嗤った・・
「もしもし、会長さん?僕だけど・・今から行っても大丈夫そうかな?」