10月も後半になる中、ガラス工房ではハロウィンに向けて変わった飾り付けがなされていた
工房の前には様々なハロウィングッズが飾られ、硝子で作られたジャック・オー・ランタンが静かに出迎えてくれる
お菓子を貰いにくるもよし、店主と雑談するもよし
今日もまったりガラス工房は営業中です
この島は落ち着いとって、居心地ええです。都会はごみごみしとって息苦しいです。
ボクはのんびりしてる方やからやろか。とろこいてよう言われます。せっかちな人やからなあ……はるちゃんは……
あ、いらん話してもうた
ゆっくり教えてもろたら安心ですわ。すいませんねえ、お手間かけさせてしもうて……ボクびびりやから……
(言われるままにバーナーと鉄棒を、おずおずと両手に握り)
これ、ボクがやりますの……?えらいこっちゃあ……職人さんの言う事ちゃあんと聞いとかないかん……(怯える千影の気配に心配そうな顔をするワサビ。でも鳴かない。介助犬の視線を感じてそちらに振り向き)
……ワサビさん、平気やから……職人さんついてくれてはるから安心やよ……?
(と不安そうな顔を向ける)
(エリーゼさんが「執事」というのを聞いて、あ、とさらに委縮して)
わあ、どこかのおえらいさんのお嬢さんですの。失礼ないようにせないかん……(ぶつぶつ)
(物理)ってなんですの?論理的くすぐりもありはるんやろか……?
元気なんは羨ましいです。ボク、根暗なほうですから、お嬢さんを見習わんとあきませんねえ。(申し訳なさそうに笑いながら)
そうなんです、この子はとっても賢うてええ子なんですぅ。ほうやねえ、お嬢さんは外人さんですか?ボクからしたらワサビいう名前の割におっとりした子やねえ思いますけどねえ。
(エリーゼさんが撫でるのに少しも怯えずワサビは、はっはっと嬉しそうに尻尾を振っています)
つやつやですやろ?いつもお世話してもうてるから、きれいにしてあげてるんです。ワサビさんが不自由ないようにしてあげたいんやけど、ボクとおる限りほれは難しし、せめておいしいものと、毛並きれいにしたげて、散歩に連れてってあげたれたら、思てます。
お嬢さんは動物さん好きなんですの?
えらいご機嫌ですけども……?
(扉がノックする音に気付いて)
お客さんですか。(手をとめようにも怯えつつ)
これ、どうしたらええんですの……(おろおろ)
ああ、でも先にお客さん……
(葭原さんに驚いている高鷲さんの声に、振り向きちらっと姿を確認)
ああ……目の不自由な方ですの……
一人でここまで来たんかいな……達者やねえ……
ボクとは大違いやで……
(背を丸め)