【シナリオジャンル】SF・ファンタジー
【定員】15人
【参加受付】4/26 21:00 ~ 5/5 23:59(コメント3~17に先着順で参加表明、埋まり次第受付終了)
【相談&アクション受付】参加受付終了~4/28 23:59(受付期間に15人埋まらなかった場合は飛び込み参加可)
相談はコメントにて。アクションは本トピック[2]のリンクより、小島 海美までメッセージ送付(プレイヤーの目的・意図50/キャラクターの目的・理由50/キャラクターの行動・手段500)
【リアクション公開予定】6/5くらいまでにはたぶん!
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灰色の空気が天蓋を覆う。煉瓦色の街並みも、緑灰色に澱む川面も、全ては街の至る所から吐き出される石炭の煤煙の下。
暗鬱な通りを切り裂くように、車体脇に歯車を剥き出しにした蒸気馬車が猛スピードで通りすぎた。
「危ないぞ!」
主人たる貴族の権威を笠に着た御者の罵声。撥ね飛ばされたつなぎ姿の男を無視し、馬無しの馬車は通りの角を曲がって消える。倒れた男の周囲にはどこからともなく出てきた浮浪児が群がり、酒の小瓶、燐寸箱、服の釦、その他ありとあらゆる金になりそうなものを剥ぎ取ってゆく。
間もなく、降り出した雨が通りを洗う。
無知で浅学な貧民達ですらその毒性を避け、早々に窓もないじめついた地下室の我が家へと退散するというのに、男はただ呻き声を上げるばかりで、すぐ傍の軒下に身を寄せる事すらできない……。
彼の命の灯火が尽きようかと思われたその時、一つの足音が近付いてきた。それは、男のすぐ傍で立ち止まる。
「これは酷い」
老人の声だった。
古めかしいスーツに身を包み、白手袋に蝙蝠傘を差した老紳士。見事な白髭を蓄えた顔の上で、知的な片眼鏡が瓦斯灯の光を映している。
「運命に抗うかね?」
老紳士は訊いた。朦朧とする意識の中で、男はその意味が解らない。
「君は、運命に抗いたいかね?」
老紳士はもう一度訊く。ようやく男は、それが自分に向けられたものである事を知った。死の運命から逃れられるのならと、男は最後の力で首を縦に振る。
「よろしい」
男へと伸びる老紳士の手。その袖から覗いた真鍮製の腕が、意識を失う前の男が最後に見たものだった。
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▼ガイド詳細
http://rakkami.wiki.fc2.com/wiki/Steampunk%20Distopia
参加させてもらうよ