「こっくりさん」
誰もがそれを聞いた事があるだろう。
中には、実行してみた・それに混ぜられた人もいるかもしれない。
寝子島高校のフツウの生徒・恵御納夏朝もその1人。
ある怪談話の時、語り手に合わせ相槌を打つようにこう言った。
『僕も、中学校でやったことあるよ。流行ってたもん』
ならば、やってみた時の状況はどうだったのか。
とじられた項をめくり…一部分を明かしてみよう。
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その後、帰り時間も考慮して
速やかに「こっくりさん」を帰す方法が行われた。
幸か不幸か、その時の「こっくりさん」は簡単に帰ってくれたようだった。
…「こっくりさん」が帰った直後に先生に見つかり
逃げ損ねた一部が、こっぴどく叱られる羽目になったが。
長説教を聞かされ終え、あるいは逃げおおせて
下校した彼女達の結論は、大体が一致していた。
「…さすがに2度とやれないわぁ」
また誰かが倒れると困るしね、と皆が笑う。
一度崩した?体調も、帰りまでには落ち着いていたけれど。
夏朝は、笑いの輪から遠く離れて、自宅への帰路についたのだった―。