=SS情報=
【ジャンル】日常、キャラ語り
【形態】完結
【分量】5レス、約3400字(レス番号6→2)
【登場キャラクター】桜崎 巴
あんた、住まいはどこだい?
ほう、普通に親元からかい。そいつは気楽そうだ。
いや何、馬鹿にしようとかそう言うんじゃないさ。
やっぱりうちの学校にゃ、どうしても三寮対抗みたいな雰囲気があるからね。あたしとしちゃあ、そん中から外れた所にいるのは多少、勿体ない気もするのさ……まあ、時と場合によって立場を変える処世術、なんて面白い事ができるのは、三寮住まいじゃない奴の特権だがね。
あんた、あたしの寮はどこか判るかい?
ああ、良くお判りだ。その通り、あたしは猫鳴館さ。賞品代わりにこいつを取っときな……煙草じゃないさ、よ~く見てみな。ただのチョコじゃないかい、そうビビんなさんな。
そうそう、そいつを本物の煙草みたいにすーっと……おっと今、本鈴が鳴ったね。もう手遅れさ、御愁傷さん。今から戻るのも気まずいだけだろ、もうちょっとここで空でも眺めていようじゃないかい。
何だって? 次は熊吉の授業だから、帰らないと怖い?
なあに、鬼熊なら逆にどうにでもなる。試しに「3組の桜崎に捕まってた」っとでも言っときな。見事あんたは無罪放免さ……あたしは奴ごときどうって事ないし、実際、あんたを引き留めた罪はあたしにあるんだしね。
ん? あたしが不良やってる理由?
そりゃ決まってるだろ、あたしは自由な青春を謳歌したいのさ。
無秩序と自由は違う? 全く、減らず口叩きやがって……。
その通りさ。無秩序と自由は違う。無秩序ってのは次に何が起こるか解らない状態で、自由ってのはただ自分のみが自分を律する状態さ。そこを混同する程あたしは馬鹿じゃない。
つまり、あたしはあたしのルールに従って授業をサボるし、あたしのルールに従って他人をからかう。安心していいよ、あたしは今、あんたをからかってるわけじゃないからね。