夜歩く人たちのある日の記録。どんな事が起きたのやら。
(「今よりも醜く」というくだりに、とっさに反論しようとした自分に気付いて、やめます。変わりに、フン、と鼻で笑って)
そうだろうね。今の君は僕が嫌うに値する人間だ。
それは君は護る価値のある人間だと言う事だよ。
価値という言葉を君は不快に思うかもしれないが、気にやむ必要もない。
君の言い方を借りれば、それこそかれらの我が儘で、他人の庇護を受容出来る君が立派なのだよ。
(くすくす笑う冴来さんにつられて、困ったように笑います。素で笑いそうになって、困っているようです)
(冴来さんの話に、少し不服そうな顔で聞いていましたが、「守る」と言われて、驚いて、ひどく困った顔をします)
守る……?
僕を……?君が……?
(周りが見えないくらいぼろぼろ泣いてます。冴来さんに抱き締められると、縋るように、嗚咽を漏らして告白します)
う……ぼっ……ぼくは……きょう……兄さんにとんでもないことを……えぐ……してしまった……。
いままでも……ひどいこと……したけど……。
あんな……あんな……兄ちゃんは……。
あう……ぼくは……どうしたら……。