夜歩く人たちのある日の記録。どんな事が起きたのやら。
「駄々を捏ねている」か……。
自分でも、そう思うよ。
「嫌いと云う感情は期待への失望からくるもの」か……。
まるで精神分析でもされているようで、実に嫌な気分だよ。
(片手を挙げて少し笑います)
君の言うとおり、どうなったっていい人間の幸福を願う者は確かに存在しないだろう。
しかし、大切なひとの幸せを壊したいという願望はどうだろう?
僕よりも大切なのに……ね。
僕が君に胸を痛めるだって?とんでもない。
僕は誰かを傷付ける事はあっても傷付く事なんて、ない。
(ほんの少し、感情的に強く言い切ります)
(色が白いので、顔が赤いのが目立つ。しばらく目をそらている。呼吸が少し、乱れている。隠しているが、勘のいい者なら気付くぐらいの。呼吸を整え、堂々と向き直る)
フン、いいだろう。僕に触れてみたまえよ。
(嬉しそうに目を細める冴来さんを見て、不服そうに)
その優しさが演技である事を、心の底から願うよ。
(と溜め息混じりに呟く)
そうだね、君は罪を犯した事はあるかい?