夜歩く人たちのある日の記録。どんな事が起きたのやら。
あら。
貴方が何処にもいないというのならば
私は今、一体誰と言葉を交わしているのかしら。
『手に入らないならば要らない』ね…。
貴方は何が欲しいの?
貴方の大切なものはなに?
簡単な話よ。
私の大切な人が、私が光の元で生きることを望んでいるから。
そして、私自身も
光の世界で生きられるようになることを望んでいるから。
どうかしら…。
ただ、貴方を放っておきたくはないと
私の心が言っていることは確かね。
…私は私の我儘を通そうとしているだけ。
迷惑であれば拒絶してくれても構わないわ。
…貴方は自分が悪い人間だと思っているのね。
そして、自分をそんな自分を許せなくて
罰を与えたくて仕方が無いのね。
…足が疲れてきてしまったわ。
少し休んでいくことにしましょう。
(バス停の傍に設置されたベンチに近づき、静かに腰を下ろす。)
…貴方も座ったら?