欧州のとある離宮のものを模したという広大な西洋式庭園。
手入れの行き届いた花壇には季節の花々が咲き誇る。
庭園中央には噴水が設置され、涼やかに水のアーチを描いている。
いやいや、構わないよ。
誘ったのは私の方なのだからね。
ん、この格好かい? これは剣術の練習着だよ。
ちょうど日課のメニューを終えたところだったんだ。
ももクンの愛らしい姿が目に入ったものだから
つい着替えもせずに出てきてしまってね。
すまないね、シャワーがまだだから汗臭いだろう?
(微苦笑して肩をすくめる)
ああ、あの時の!(ぽむと手を打ち)
何だいキミはあの程度のことを根に持っているのか?
しつこい男はモテないぞ。
だがまあ、わざわざ訪ねてまで来たのだ。特別に相手をしてやってもよい。
……と言いたいところなんだが、見ての通り客を招いている身の上でね。
悪いが後にするなり日を改めるなりしてもらえるかな?
それでもどうしても今この場で、という場合はキミの身の安全を保障しかねる。
(微笑んで首を傾げるが目は笑っておらず、キンと鯉口を切る音が響く)