これは菰野椛が実際に経験した事件や体験などをまとめた報告書である。
依頼内容にも関わるものも入っているので、権利者以外の持ち出しや書き込みは一切禁ずる
※PCに関する設定などを書きためておく場所になります
雑談トピックではありませんのでご注意を
『報告書:マヨイガと呼ばれる空間について』
今回、マヨイガと呼ばれる謎の空間についての報告を記載する
そもそも迷い家(ここでは以降『マヨイガ』と記載する)とは、東北・関東地方に伝わる一つの伝承である。
山中に存在する無人の家であり、そこに訪れた者には富をもたらすとされている。
この伝承は『遠野物語』と呼ばれる説話集によって記録が残されている
僕が今回経験したのは、この伝承に近いものだった
事務所で依頼整理を行った後、仮眠を取ると妙に現実感のある和室に目が覚めた
実際このマヨイガの噂は既に学生達などの間でも流行っていたようだった
僕以外にも数名がこの屋敷に迷い込んでおり、この夢と現実の境ともとれるような不思議な空間を回ることになった
この空間内では迷い込んだ人間の心を奥底まで読み込めるらしい
つまり本人が望んだ物を実際に具現することが可能だということ
この辺りはまさしく伝承の通り、富をもたらすということなのだろう
この報告で伝承の信憑性が上がるとは限らないが、今回の経験で得た貴重な体験として書き記す
追記報告、以前事務所に迷子で発見された人物をマヨイガ内で発見
以降はたまに事務所に足を運ぶ機会が多くなった
『報告書:共感覚と思わしき症状ついて・その2』
前回の報告書では書ききれなかった部分をこの報告書で記載する
共感覚によって視える色が表す状態をここでは書き記す
そもそも色というのは人間の心理にも働きかける効果があると言われている
それぞれの色が持つこの印象は色彩感情とも呼ばれ、人々に様々なイメージを与えている
僕自身が持つこの共感覚によって視える色も、それと同じイメージとして捉えることが出来た
これは前の報告書でも取り上げた『状態』『性格』どちらとも共通している
赤は情熱や活動を表す色だ。
この色が視えた場合、相手は一種の興奮状態、または怒りの感情が主である
オレンジは解放感などを表す
この色が視えた場合、相手は穏やかな状態だったり、親しげな感情に当たることが多く見られた
黄色は向上心、好奇心をよく示す色だ
この色が視えると相手はだいたい元気だったりポジティブだったりする
緑色は調和やバランス、協調性をよく示している
この色が視えると相手はリラックスしている状態が多く、また仲間意識を持つことも多い
青は冷静、清潔などのイメージが多い
この色が視えたら興奮状態はかなり抑えられてる事が多く、冷めた感情になっていることが多い
灰色は不安や調和を示す
この色が視えたということはおそらく相手は何か抱え込んでる事が多いだろう
ただしその不安を引き出すには注意が必要である
そして黒は死や恐怖、悪などを指し示す
ほとんど視野に入ることはないが、もしこの色を抱えてるものがいるのであれば、その人物は死んでいるか、異常なまでの不安や何かを抱えている可能性がある
あくまでここで記したものは一部分である。
実際に『性格』を表す色には一概に単色であるとは限らない
同じ赤でも朱色や牡丹色、濃い紅など濃さや明るさ、混じり気などが人によっては変わるからである
以上を持って今回の報告は終了とする
また新しい結果が分かり次第、随時報告する
『報告書:共感覚と思わしき症状について』
ここでは自身が経験した共感覚と思わしき症状についての報告を書き記す
症状に新たな動きが見られた場合、新たに追記して報告する
まず共感覚について説明する
共感覚【シナスタジア】とは、人間が通常持つといわれている感覚と同時に、それと異なった感覚を生じるという知覚現象であると言われている
『黄色い声』や『甘い匂い』などの比喩的表現とは異なり、この共感覚を持つ者には実際に音や匂い、文字に別の感覚を与えてしまう
この知覚は無意識のうちに生じてしまい、その感覚同士の結びつきや関係性は共感覚を持つものにもあまり説明が出来ないと言われている
また、共感覚にも様々な種類があり、必ずしもその傾向が同じとは限らないらしい
話を戻そう
僕自身もその一人であり、幼少期から当たり前の感覚とは別の感覚が目に見えるようになった
最初は文字や数字に僅かな色が見え始め、成長すると共に周囲に置ける音、声、音楽などにもその色を視認できるようになった
この結果から、おそらく色聴の傾向が強いと思われるのだろう
高校生くらいになると、さらに気がかりな反応を見せるようになる
他人との会話の際、その人の口元とは別に周囲に僅かに『色』が包み込むように見えた
しばらく耳を傾けると、さらにその人物の胸元あたりに小さな丸を描いた別の『色』が見えたのだ
長年の経験から分かったことは、この2つの『色』は人の感情を表しているものだと分かった
前者の周囲に漂う色はその人物の『状態』を表していた
いわばその人物の体調や気分を映し出しているようで、同じ人物でもその日の気分によって色が変化しるようだ
明るくポジティブな時は眩しいくらいの黄色、落ち込んでいる気分は沈むような青、といった感じだ
後者の胸元に表れる色は、その人物の『性格』を表していた
その人物の人間性ともとれるそれは、決して色が変化することがない
そして大事なのは、この『性格』の色はひとりの人間に対して、一種類しか表れない
一つの人格に対し、一つの色ということなのだろう
現在後者に関しては二種類以上の色が存在する人物を見た事例がない
だが、おそらくそれを持った人物が現れれば、その人物はかなり特殊、または異例であると言えよう
以上を持ってこの報告は終了とする
『報告書:菰野椛について』
最初は特にこれといった報告はないが…まぁ初めての報告書だ
練習と自分自身の見直しもかねて、僕の事を書いておくことにする
まずは僕という人間がどういう人間かを知ってもらわない事には、仕事にも支障を来す場合もあるだろう
僕の名前は菰野椛
10月9日生まれ、年齢は現時点で20歳
身長160センチ(今後増えるかもしれない)
この菰野探偵事務所の私立探偵であり、所長を務めている
○○中学、○○高校を卒業して大学への進学は断念
2年ほど前に地元の探偵に弟子入りして経験を積んで単身で移住、寝子島に新たに事務所を設立した所存だ
生まれた時から音が聴こえ辛かった為に先天性の聴覚障害を持ってしまった
それ以外にも共感覚と思わしき症状が発覚するが、この内容は別の報告書にて記載する
幼少期から読唇術の鍛錬を受け、会話面での問題も特にないため良好
仕事のスタンスは捜索、護衛、調査を受け持っている
現在は四方堂法律事務所との提携も取っている
とりあえず簡単な自己紹介は以上を持って終了とする