とある休日の昼下がり。
お客さん同士の雑談中は、我々はお邪魔致しません。
店員の事は気にせず、お好きにお喋りしていって下さいな!
平和の中にも適度な刺激は欲しいところですがね。
ところでやっぱ何か居るのこの辺に。そうチラチラ視られると気になってきちゃうんですけど。
(若干辟易気味に自分の肩の後ろをくるくると指で示して)
(発言を制され、どうやらまだ話の途中らしいことに気付く。
早とちりを誤魔化すように頭をガシガシと掻いて)
あ、まだ続きがあんのね。こりゃまた失礼いたしました……
(そうして改めて話を聴く姿勢に移る。始めこそ先程同様に軽く相槌など打っていたものの、
話しが進むにつれその意外な内容に自然と押し黙る。
またぞろコーヒーを甘くしようと動かしていた手もいつの間にか動きが止まっていた)
……へェ。
何かそれこそ説話集にでも載ってそうな話ですね。
流浪民の苦難と神威による権能の保全ってなところかな。
上手い事やったもんじゃんご先祖様。
(止まっていた手を動かしてコーヒーを口に運ぶ。苦い。砂糖を入れ忘れた)
そっかーあの格好いい苗字にそんな由来がねぇ。
しかしそうすると市子サン白拍子、つーか巫女か。ともかくソレ系の人なん?
ああもちろん色事的な意味じゃなく宗教芸能者って意味で。
正直あんまりそうは見えない…、いやむしろそれっぽいのか? うーん…。
(腕を組んで難しい顔をしている。巫女服姿でも想像しているのかもしれない)
というかそもそも、それって話してよかったの?
いやまあこっちから質問しといて何だけども、
アンタにとってそれなりにヘビーな話題なんじゃねーのコレ。
(身を乗り出してフォークに刺さったパンケーキを無遠慮に食い取る。ポテトは皿ごと相手の方に押し遣った)