とある休日の昼下がり。
お客さん同士の雑談中は、我々はお邪魔致しません。
店員の事は気にせず、お好きにお喋りしていって下さいな!
イヤどんだけ腹減ってんスか、今日日ヨダレて。
(呆れ顔でコーヒーをにミルクをつっこむ。やはり入れ過ぎ気味)
日傘の方がよけりゃそっちでもいーですよ。
適当に見て回って気に入るのがあればっつー感じで。
(向けられたスプーン。その先端から相手の顔へと興味深げに視線を移して)
へェ蟹座。参ったねどうも、蟹座呼ばわりは一部の男子を深く傷付けるってのに。
で、その「末っ子の蟹座」ってのは一体どんな意味合いなんで?
(ようやくコーヒーに口をつける。大量のミルクと砂糖で最早カフェオレみたいなそれを半分ほど啜り)
聞きますよ。幸いコーヒーはおかわり自由だ。
(先を促すようにカチャ、と音を立ててカップをソーサーに戻す)
何故フルネーム。楓でいースよ、何ならメープルでも。カエちゃんは審議。
しかし「鬼」が何か分かるか、ねェ。
まさか俺に学術的見地からの「鬼」の概念を訊いてるワケじゃねーだろうし。
……個人的には「強さの象徴」かね。強い奴にゃ鬼の異名が付くことがよくある。
武術界隈にゃ『拳鬼』の異名を取る達人も居ますし、
地元のダチで『西中の赤鬼』とかダセェ渾名されてた奴もいるし。
(話しながらクラブハウスサンドを頬張る。同時に驚きの表情)
うわうまっ。サンドイッチってこんな美味く作れるもんなのか。