陽がすっかり落ちたころ、工場と寝子電の騒音に混じって自家発電機の駆動する音が聞こえる。
穴と言う穴をキャンバスやベニヤ板でふさがれた第3倉庫――夜な夜な殴り合いの試合や、会合のようなものが開かれているという噂のここが、音の発信源のようだ。
自家発電機の電力で中は照明があるが、薄暗い。
そんなところで、今日も今日とて誰かしらがここに集まりにくる。
くっ!!
(落下の瞬間とっさに受身を取り、
極められた腕の肩関節を敢えて外し、腕を抜き間合いを取るも
その場に座り込み腕をさすり)
・・はぁ、参ったネ。腕が上がらなくなっちゃった。
寝かせりゃこっちが優位と思ったんだけどなあ。
・・ギブアップ・・万策尽きたよ、僕の負けダネ。
(ボコン!と外した関節をはめたうえで逆の手のみ上げ降参の意を表し)
キミ・・すごく強いネ。名前を聞いてもいいかな?