夜の面だけが目立つ第3倉庫ではあるが、昼間も時折誰かがやってくることがある。 野良猫がくつろいでいたり、昨日の夜はなかった落書きが追加されていたり、探検目的で誰かが来るのだ。 鍵はかかっていないし…
陽がすっかり落ちたころ、工場と寝子電の騒音に混じって自家発電機の駆動する音が聞こえる。 穴と言う穴をキャンバスやベニヤ板でふさがれた第3倉庫――夜な夜な殴り合いの試合や、会合のようなものが開かれて…
長いあいだ放置されていたからか、倉庫のいたるところに落書きがある。 誰かの自己主張だったり、相合傘であったり、愚痴を書き込む人もいる。 大抵は見向きもされないが、それでも落書きはこっそりと増えてい…