陽がすっかり落ちたころ、工場と寝子電の騒音に混じって自家発電機の駆動する音が聞こえる。
穴と言う穴をキャンバスやベニヤ板でふさがれた第3倉庫――夜な夜な殴り合いの試合や、会合のようなものが開かれているという噂のここが、音の発信源のようだ。
自家発電機の電力で中は照明があるが、薄暗い。
そんなところで、今日も今日とて誰かしらがここに集まりにくる。
戦車の装甲の塊みたいな外見をしていて、いうものだな。(肩をすくめて)
入院するまででもなんでもしてはいいが、ここの事は話さないでくれよ?
ただでさえ貴重な廃墟なんだ。殴り合う場所がなくなったら困るだろう。