陽がすっかり落ちたころ、工場と寝子電の騒音に混じって自家発電機の駆動する音が聞こえる。
穴と言う穴をキャンバスやベニヤ板でふさがれた第3倉庫――夜な夜な殴り合いの試合や、会合のようなものが開かれているという噂のここが、音の発信源のようだ。
自家発電機の電力で中は照明があるが、薄暗い。
そんなところで、今日も今日とて誰かしらがここに集まりにくる。
悪夢しか見なくなると、起きている時間の方が平和に思えてくるぞ。
目覚めると、まず救われたと感じる。夢から覚めて良かった、現実に戻ってこれたと。
良い夢も悪い夢もない。俺はただ、夢も何もない眠りが欲しいだけだ。