遊園地の敷地内にある野外音楽堂
石造りのステージでは嘗て手品やお芝居、ヒーローショーが演じられていたが、今は演者も観客もなく静まり返っている
ステージには壊れたピアノが一台打ち捨てられている……
(遙さんから時任さんの話を聞いて)
相変わらず、聞けば聞くほど…な人だなぁ…(汗)
だけど、遙さんだけは、間に入る事ができた、と。
んー、何だか三角関係みたい。
疎遠になる切っ掛けを作ったのは、元を辿ればオレですから…。
平行線も元をただせば二本の直線かぁ…。
オレはその直線から逸れたけど、せめて別の形で共振できるようになりたいですね。
あ、不意打ちとかショック療法は、実はもうやった後でして。
弟はオレには容赦無いから、思い切り蹴り飛ばしてきてー…後は察して下さい(汗)
うーん。遙さんの話を聞いてると、思い出の不変を望んでるような、打ち破りたいような気持ちが
いっぱい混ざって、出られなくなってるような…。
いや、この世に存在するなら…って言ってるから、待ち望んでるって言った方がいいのかな。
……。(じっと自分の手を見た後、すぐに向き直って)
いえ、直し方は教えてもらえたんですけど、弟子入りはできてなくて。
でもいつかそうなれたらいいなって思ってます。
ん、いい刺激になれてるならよかったでっす♪
(従夢君の打ち込めるものがないという言葉に)
んーと…。多分だけど、まだ見つかってないか、気付いてないか…。
それか最初から「無理」って諦めてるからかも?
って、オレが言うのも変だけど、どうも…キミの話聞いてるとそんな気がして。
不適切な言い方してたら、ごめん。
うん、兄弟っていっても、どーしても合わないってあると思うし、
絶対仲良くしないとって決まりはないっていうのはわかる。
でもオレは、弟がしがらみになってるとは思ってないからさ。
やっぱり仲直りしたくて、あがいてるんだ…(苦笑)
(深雪君がピアノを聴かせてくれると言ってもらえて)
やった♪んじゃ、深雪君の予定が空いてる時によろしくねぃ。
ええっと、どーいうの作ってるかというと、ってすでに遙さんが見せてる…!
(イヤホンジャックを見てくれた深雪君と従夢君に微笑んで)
うん、そーいうのも作ったり、カワイイ系やキモこわ系も作るよぅ。
翅の部分は色や質感を出すのに苦労したから、褒めてもらえて嬉しいわー♪
あ、深雪君って元々島外から来たんだっ オレも7月に引っ越して来たから同じだねぃ。
って、卒業したら留学…。せっかく知り合えたのに淋しくなるなぁ…。
(木原さんの名前が出て瞬きをして)
深雪君の家にあるピアノ、木原さんの作品だったんだ
そっか…。なら、このピアノも製作者は木原さんって事になるのか…。