遊園地の敷地内にある野外音楽堂
石造りのステージでは嘗て手品やお芝居、ヒーローショーが演じられていたが、今は演者も観客もなく静まり返っている
ステージには壊れたピアノが一台打ち捨てられている……
(深雪君に言われて、頷いて)
うんうん、オレも二年だよぅ♪
お?そーいえば、見かけた事あるような…となると、キミも芸術科??
(実家にあるピアノに似てたと聞いて)
そっかぁ。なら、尚の事修理を頑張らないと。
一応、少しずつではあるけど、直ってきてるから。
気長に待ってもらえると嬉しいわー♪
(遙さんに無理はするなよと言われて)
大丈夫です。パタパタ駆け回ったりしてるけど、無理のないようにしてますよぅ♪
ピアノは逃げない、かぁ。
でもよく会いたくなって、ちょいちょい来ちゃうんですよねぃ(ピアノをそっと撫でる)
うぅ、一応手先は器用な方ですけど、そんな風に言われると照れちゃいますよぅ。
でも、そー言ってもらえるのはやっぱり嬉しいので、
遙さん、ありがとうございますって言っちゃいます(へへーと照れ笑い)
ん…。ピアノが大好きっていうのもありますけど、直せるなら直したいですし。
もう一度聴きたい、忘れたくないって強く思ったから、今でもこうしているんだと思います。
オレの方こそ、切っ掛けをくれた遙さんに感謝してるんですよ(柔らかく微笑む)
(従夢君の話を聞いて、手をパタパタして)
ううん、ここってあまり人が来ないからさ。キミこそ、気にしないで。
そっかぁ、キミも懐かしくなって、このピアノに触れたんだねぃ。
ピアノの事、心配してくれてありがとー♪
(弾く資格がないという言葉が聞こえて、くるっと振り返って)
資格がないとか、そんな事ないですからね(キッパリ)