本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
…(そんな目をされたら、なあ)最後に。僕は君を肯定はできないけれど責めたりはしない。世界が君にとってどんだけ残酷だったかなんて想像しきれるとも思わない。
でも、でも、この世界が無かったら君もいない。今の君はいない。病気でずっと苦しんでたけど、やっと立ち直れて、失った時間を埋め合わせようと日々を全力で楽しんで、孤独の痛みを知ってるから人にも優しくできて、たまに翳が落ちるけど、でも笑ってる顔はとても…その、素敵で。
救うなって言われても僕は救うから。仏が見放そうが救われる気が無かろうが、それでも救うのがヒーローってやつだろ?
まあ、その、でもってさっきも言ったけど!もっといろんな人と話せ!そんでもって本当に許されなかったらその時はいくらでも絶望していいから!じゃあな!(と、赤面して走り去る)