本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(質問にぽつりと)
「その発端の人。もしそれが、天災とかならば諦める。
神様を憎む代替行動も出来ない自己責任。
神様がいても、不幸な境遇が消えないのならば、
最初から、人は己をの呪うべきだと思うんだ」
ののこさんと、テオが助けるような神様でないのは、今思えば本土にいたときから分かっていたことだもの。
それに……
ううん、何でもないよ。
(クッションから立ち上がり、入り口まで相手をお見送りしつつ)
灯くんが、ライトノベルの主人公じゃなくても……
充分だよ。心は揺らいで今にも泣きそう。
(相手を少し見上げながら)
ありがとう。来てくれて。
大好きだよ(泣きそうな目で、幸せそうに微笑みながら)