本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
ようこそだよっ。
(いつもと変わらない様子の久しぶりの来客に)
わあっ!アイスだ!暑さは中盤まで、風と水分だけで凌いでいたから嬉しい限りだよっ。
……これ、食べちゃってもいいのかな……?(尋ねながらもすでに食べる用意とばかりにスプーンを持って)
うん、 お花は鉢植えをやめて切り花にしちゃったし……飴は全部溶けちゃったし…………
でも一番の吃驚はお客さんにたくさん、たくさんもらったことかな?
お客さんにたくさん、来てくださった事かも知れないねっ。きっと出入りが激しいから、空気も新鮮なんじゃないかなっ。(それだけでは決してなさそうな理由を誤魔化して)