本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(「ムウ」と閉口。ほとんど冗談のつもりで反応したのだけど、笑顔を見て。
本当にその意味で、コレは無邪気な確信犯なんだと、今ごろになって気がついて。
「どーせならスカした返事かえしとくんだった」とか、妙な部分を悔しく思いつつ、
据わり悪い気持ちの扱いに困って、とりあえず。満たされたお茶をちびっと飲んで。
ごまかしついでで話題に乗っかることにする…)
コレ全部。お嬢がまっとーな占い師っつーアカシだよな。
あるイミ当然の結果だし…だから大したモンだとも言えっし。サスガは…って
イヤイヤイヤイヤイヤ趣味でヒガンに目ー凝らしてんじゃねーーーよ。…!
(…けどツッコミを入れて「あっ」となる。ナゼこの娘は「そうなのか」。
これまで見た人柄・言動・直観力・集中力がおおよそ繋がって、浮き彫りになる。
そして、連想する。以前寝子高の悪霊騒動で関わった危なっかしい面々を。
「ったく今の寝子高生は…」とかなんとかブツクサと言って、ふすーっと溜め息)
…頑張んのもいーけどさ。テキトー休憩挟んで。ンでメシぐれー食っとけ頼むから。
なんせ…(差し入れの数々を横目に)…ウデ買ってるヤツがこんだけ居んだ。
(いつになく穏やかな声、優しい口調で。諭すように…)…ワリーだろ。心配さしたら。
そー言やいつもどーしてんの?夜メシ。なんならひとっ走りコンビニとか行ってくっけど。