本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(他に感情を表す言葉がなかったのか「通じた!」とばかりに嬉しそうににこにこして)
今日は沢山お客さんが来て下さったんですよ。
沢山差し入れも頂いて嬉しかったですっ!
(そう報告しながら、頂いたサマースカーフをタオルで拭いて幸せそうに首に巻き、焼きチョコを一つ美味しそうに食べて)
ここにあるのは、全て差し入れしてくださった分なんです。
凄いですよねっ、嬉しいなぁ……。
途中、飴もお茶も無くなって『熱中症で死ぬ』と覚悟しましたが、お茶まで頂けて、空腹も喉の渇きも凌いで今まで生きて来れましたっ!!
(自分の手のひらをぐっと握って、残っているお茶を相手の紙コップに注ぎ直して、自分の分も用意をして一息)