本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
ん~…(口元に手を当てぼんやり、しばらく考えて)
──その言葉は、一つ一つ『そちらの肉ごと』ナイフで突き削ぎ落とされたくて言っているのかな?(笑顔)
なんてね。
でも、残念だね。もうすぐ寝子祭のお手伝いで忙しくなっちゃうから、当分開店休業状態で、そんなに暇でもないんだよ。
『ナニカ』をふっかける相手は、他所で、そして他の人でやってもらおうかな。
ここは、本当に──押し付けではない、人のご厚意で成り立ってきた場所だから。
ここを……皮肉と嫌味で染めけがす事は、許さないよ。
それじゃあ、お帰り頂こうかな。お客様もいないしもう用も無いよね?
飛吹さん、その方よほど溜まっておられるみたいですし、カフェかファストフードのお店にでも連れてお話聞いてあげてください。
それでは……お帰りください。(深々とお辞儀をして頭を下げ)