本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(紅林さんの微笑みから目を逸らしかけ。でも観念したように、まっすぐ見て)
スンマセ………………イヤ。ありがとう、ございます。そう言ってくれて…
(マナに呼ばれ)…っとオネーサンの番すね。全然ダイジョブ。行こーぜマナ。
紅林サン。今日んトコはコレで。
そのうち店の方にカオ出します。今度は…客として。欲しいモンもあっしね。
あの、あたしも。また会えて、フツウに話せて、よかったです。…それじゃ。
(もう1度お辞儀をして、ちょっと足早に母屋の方へ。口元をほころばせながら)