本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(説男さんの言葉に首をかしげて)
え?
私高校生に見える?(くすくす)
残念、社会人なのでしたっ。
こうみえて二十歳だよー!
(市子さんに気づいて)
……! 市子さん!
またあえて嬉しいよ!(ニコッと笑って、頭をあげさせようとして)
……いろいろあってあの結論だったと思うから、追求したり責めたりするつもりはないよ。
でも、こうして偶然あえた時はまたお話してくれると嬉しいな!
(具体的な内容はぼかして、微笑みを浮かべて)