本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(茉菜さんの丁寧な挨拶ににこーっと笑顔になって)
寝子高生なんだね、うちの従弟も寝子高だよ、2年だけど。
……あっ、自己紹介がまだだった。
私は紅林柳霞。旧市街でセレクトショップをやっているよ。
宝くじクラス?(面白そうに笑って)
ちょっとね、迷っていることがあって、判断の一助にさせてもらいたくて来たんだ。
わぁ、お菓子もたくさん!
うん、待たせてもらうねー!
(蓮太郎さんを見て)
うん、待っている時間もとても楽しそう。
よろしくね……っていっちゃった。
トイレ大丈夫かな。
(説男さんに)
はいこんにちはー!
お客さんもたくさんいて賑やかだね、ここ!
(新しいお客さんが来たのを見て、すみっこに移動)
ほえー……本当に人気なんだなぁ。