本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(がさがさと膨らんだスーパーのビニール袋を手に、入り口からそっと覗き込み、うっそりと一礼)
………あの、お疲れ様です……。
……………その、お世話になったお礼……と言いますか……。
……いつも、人がたくさんいらっしゃるようでしたので……よかったら、足しにして頂けないかと……
(ビニール袋には、スナック菓子と飲み物のペットボトル。お茶や紅茶と炭酸飲料)
(定番のつちのこの里、なめこの山、パッキーの他におせんべい、ミニサイズの大福も)
(鋭い目で中を見渡し、微かに息を吐いた)
…………また、混雑していますね……。……さもありなん。…ですが。(独り言のようにぼそぼそと)