本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(ゼシカさんと蓮太郎さんの話を聞きつつ)
お茶とお菓子……。オレが行かない間に進化してる……!?
はい。僕もカトリックです。
そうです。僕は星が丘で生まれました。赤ん坊の時に洗礼も授かりました。日曜日以外にも、教会によく通いました
(ゼシカさんの神の愛の話を胸に手を当てじっと聞いています)
……はい。
シスターさまは素晴らしいお方です。僕も同じ考えです。あの場所にはたくさんの問題を抱えた人がいます。それに気づいてない人だって。僕もそうです。僕はそんな人たちの苦しみを少しでも軽くすることが出来ればと思い、あの場所に向かいます。
大丈夫です。神はすべてを見ています。けれど、すべてを赦します
神の教えを正しく全うするシスターさまが、偶にはご自分のために行動されても悪い事ではないと僕は思います
(獅子島さんの声の変化を感じ取るも、笑顔のまま話を進める)
毎回?ケッコ占ってもらってるんだ~へえ。そういうのもアリなの!?
獅子島さんって占い信じなさそーなイメージあったから、意外!
ここってそんなケンノンな場所?鬼を祓ったら鬼になる?じゃあ占い師さんは鬼?赤い方?青い方?
一言で占われちゃうなら、もう手遅れじゃん!もう諦めて喋る喋る喋っちゃう!
ま、それに……(ばつ悪そうに笑い)
オミトオシの覚悟が出来たから来たんだけどね~。その辺は……
冗談だけどー!
はーい!じゃあ分かんないコトあったらオネーサンに聞いちゃいまーす!
あ!茉菜ちゃんだー!
オレはそれで大丈夫!シスターさま、オレ、獅子島さんで!
じゃあねー♪
(維都月さんとゼシカさんに手をふり、ぺこりとお辞儀して見送る)