本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
(皆口さんがひとつひとつ折る指をじっと見ている。)
(自分も数えられたので、密かに嬉しいような照れるような)
…………はぁ。…………ありがとうございます………。
(よくわからない、という顔のまま。じーっと見つめられて、思わず目をそらす)
………………うう。…………そうですね……
………なんだか、怖いような、気がしてきてしまって…………。
(シャツを引っ張られて、改めて沢山のお菓子と向き合う。皆口さんが手に取るお菓子をしげしげと見て)
………そういえば、そんな時期ですよね……。…………限定商品ですか……
……かぼちゃ……………と、みかんと、ぶどう……?
(箱の中、ごろごろしている色とりどりのつちのこ)
…………色優先…………(ふ
………………あ、ええと…………じゃあ。すみません
(一呼吸だけ指を迷わせて、オレンジ色のつちのこをつまみ上げる。少し逡巡してから口に入れた)
………………。
………みかん味、ですね……。………おいしいです。
…あ、皆口さんは………どれにしますか……?……黄色い、かぼちゃの方が、甘い……でしょうか……。