本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
三夜雷一さんっ!
三夜家の人だーーー!
三夜家のお父さんにオレ、会ったッスよ~~良い人だったぁ~
(つま先で立って雷一さんの顔を見て)
成人してるよっ!オトナっ。ビデオ屋の暖簾の中にも入れるもんっ。煙草もお酒もエッチな本も買えるしっ……身分証明書もってる時はっ……!
(だぼだぼのパーカーの余った袖からのぞかせた指先は裾を掴み、腕をぱたぱたして自分が成人している事を全身で主張しています)
占いって、若いコが好きみたいッスよ!20代もいるよ、そこの、あやめちゃんっ
(あやめさんに対する雷一さんの対応を見て、ほぇ~と驚いたように)
あやめちゃん、ライチさんと知り合いなんだ~♪
わぁ~ちっちゃい頃のあやめちゃんかわいいーんだろーなーわーライ兄だー
(雷一さんに尊敬の眼差し)
(恵卸納さんに椅子を譲る雷一さんを見て)
ひゃー!ライ兄カッッケー!さっすが30代は違う!デキる男だーーー!!
(ぱちぱち拍手)
(全速力で買い物から帰って来た維都月さんに振り返り、レジャーシートを広げるのを手伝いおうと)
……大丈夫??
わあ、お菓子や飲み物の補充も……忙しいのにめっちゃ気が利くねー
何ならオレ、手伝うよ?ヒマだし?
(維都月さんのお辞儀に無害な笑顔で手を振って)
うにゃーお仕事もらった~。ほーいコレ写せばいいのー?
分かったやるやる~高校の授業懐かしいなあ。君ってどんな字書くの?真似しなきゃだめでしょコレ~?
(小冊子受け取り)
……うん、こやって外でだべるのもイイかもねえ……紅葉きれいだし。お花見みたいなヤツ?みんなも外に来てみたら?結構楽しいよー
(と中の人を外に誘惑しようとする)
(視界の隅に、蓮太郎さんの姿を見つけ、その表情が沈んでいるのを察した。)
寒いね~もう秋も終わりそうだねー。温かい飲み物でも買ってこようかな~
(とかなんとか、ふらっと出て、しばらくしたらココアを持って丁度蓮太郎さんの後ろに回るように歩いて来ます、少し離れた所から蓮太郎さんに声を掛けます)
あっれー?もっかってぇ~センパイじゃね???
どったのー奇遇~もっかってあの占い屋さんにご用?
(離れた場所で立ち止まったまま、ココアの缶を開け飲み始めます。蓮太郎さんがいつもの表情を取り戻せるまで、待つ)