本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
ごきげんよう(ひょこっ)
ミス維都月はお元気?営業再開したって聞いて覗いてみたわ。これ、お祝いのお花よ。スイートピーとマーガレット、よければ受け取って頂戴(小さなブーケを維都月さんにさしだし)
あら、お客さんがいたのね。ネミッサってばうっかりしてたわ(笹鳴さんを振り向き)
……ひょっとしてドーナツ屋さんで働いてた人?こないだ庚パパと食べに行ったの、とってもおいしかったわ!
今日はあのステキな衣装じゃないのね。あれはお店の制服かしら?
今日は占ってもらいにきたのだけれど、ネミッサの番になるまで紅茶とマカロンを頂いてゆっくりしましょ
時間はいくらでもあるのだもの