本来のだんぼーるはうすに、いかにも突貫工事的な、やはりダンボールの扉がついている。
扉を開ければ、外ともつながっている、本館に比べたら若干こじんまりとした空間が広がっていた。
中には、テーブルと、同じながらもこちらの方が繊細な銀細工のワイヤー細工で組まれた籠に、今度はピンクの星の形をした飴玉が山積みになって入っている。
『防水ダンボール』なるものを入手した為に、実験的に改築工事を行ってみたらしい。
いかに防水といえど、劣化すれば建て替えを行うのだが、作った本人は満足感にあふれて、その事をすっかり失念しているもようである……
実際の部屋としては、若干のこじんまりさではあるが、人が二人とテーブルが一つある分には全く問題なさそうだ。
う…っ!(真理を突かれたもよう)
ん?その様子だと、朱蘭さんは実践した感じなのかなっ? どの位の量で、どの位の期間隠し通せたのかなっ?!(興味津々に目を輝かせて)
ん~……昔はお財布を持ってくれる人がいたけれども、それすらいないから大丈夫っ!
それに体調が良い時が殆ど無くて、好きなお買い物とか殆ど出来なかったし……(何となく昔を思い返しながら)
洗うって聞いたら、どこかに食品用の洗剤が売っているのかなとか思ったけれども、なかったから……(論点相違)
殻入り目玉焼きは、器に先に入れたけれども、殻が入った時点で黄身が割れちゃうんだよ……(泣) やけを起こして千部混ぜて「スクランブルエッグだー!」ってやったら、あげく焦がしてもはや食べ物じゃない状態に……(食べ物は大切に)
お、おでんが簡単に出来る──?! そ、それはどんな魔法なのかなっ?!!(余りの衝撃の言葉に戦慄)
建て直し……というよりは──、余り関わっていないから分からないけれども、前の家系筋でやっていた会社をちょっとした事情で縁を切られて、新しくベンチャー企業として起業してるっぽい。寝子島に来た時より、お父様の周りに人が集まってきたからかなり順調なんだと思う。
お父様に関してはもう『邪魔しちゃいけないし、邪魔されたくない』と思うんだよ。
もう話し合いの余地なーし!と言うか──この話はここまでっ!!ここまでなんだよっ!(うっかり話し過ぎたと慌てて申し訳なさそうに手を振って)
(朱蘭さんの言葉にこちらも今日来てくれた理由を浮かべて)
朱蘭さんっ、朱蘭さんのところには来ているから!!(ぐっ)
いざとなったら、昔(シナリオ『怪人セブンの歌劇』)でねっ、護身用に手のひらサイズのスタンガンがお役立ちだって実かn──(以下、危険思想の為、伏せさせていただきます)
ん~、とりあえず炊飯器にセットしたお米に、中にチーズが入っているおつまみイカを一袋入れたら、炊き上がりはとろけたチーズイカのご飯の出来上がりって感じでっ!(ぐっ)