ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
ふぅん。
理解して貰えない愛情って
とても悲しいと私は思うのだけど。
可愛い物は大好きよ。
貴女って本当に良く私の趣味を理解してくれているわね。
とってもいい子だわ。
(那由多に優しく微笑みかけ
ええ、いただきます。
(ハート型のクッキーを摘み、口にいれ
ふふ、美味しい。
那由多はお菓子作りが上手ね。
妹を思い出す、と言っても
妹には会いたければいつでも会えるし
思い出す程の事でもないかしら。
ピンク色のハート、ハートは心…。
ピンク色は恋の色、か…。
(クッキーを弄びながらぽつりと