ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
…私の中は澱んでいるわよ?
世界への悪意と自己嫌悪。
愛しい人を自分へ縛りたくて仕方ない。
それを綺麗というのなら、貴女の感性は歪んでいるわね。
私の様な泥水を啜って生きても
いい事はないと思うけれどね。
護ってくれなくても大丈夫。
年下に護られるほど弱くはないわ。
私は強いの。
…立ちっぱなしもなんだし、
とりあえず椅子に座りましょうか。
折角貴女が用意してくれたのだもの。
有効活用しなくては。