対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
な…!?
ふざけた事を…!
わ、私…。私は…。ッ…!
(目に動揺が走り、それを振り払うように頭を振って
再度エレノアさんを強く睨みつけ
的外れな考察ばかりを
並べて喜ぶのはいい加減にして頂戴…。
私は貴女のくだらない妄想の材料ではないわ…。
私は何も隠してなんていない…。
私の心が飢えているだなんて、事実無根もいいところ。
妹を愛し、妹に愛され、妹の為に尽くす事こそが
私の喜びであり、人生の全てよ。
あの子が誰よりも、一番大切。
あの子が世界で一番大事。
この言葉に嘘などない。
あの子より優先している人間なんて
ただの一人も、いはしない…。
ああ、なんて憎らしくて疎ましい…。
一体何が目的でそんな下らない妄言を私に語るの!
貴女の目的は、一体何…!
貴女なんて嫌い…。大嫌いだわ…。
私の人生に貴女は要らない…。
貴女なんて死んでしまえばいいのに…!
…ぁ…。
(ナイフを強く握りしめ、伝わる感触から
自分がナイフに手を伸ばしていることに気がついて
怯えた様子で硬直する。