対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
7月×日
本当なら、こんな風に引き止めるべきじゃないんだろう。
あの人が私を突き放せずにいるのなら
私の方から突き放すべきなんだろう。
そうしないと、あの人が道に迷ってしまう。
迷ったまま、何処にもいけなくなってしまう。
それでも私は、自分勝手な欲に勝てないでいる。
大好き。誰よりもあの人が好き。
ずっと一緒にいて欲しい。
私と一緒に生きて欲しい。
やっと見つけた理想の人。
手離すには勇気が足りない。
私は、弱い。
こんな風に人を惑わし、貶める私はまるで悪魔だ。
両親が私を愛してくれなかったのは
私のこんな本質を見抜いていたからなのだろうか。
ごめんなさい。ごめんなさい。
天使でなくて、ごめんなさい。
それでも私は愛されて生きていたかったの。
それでも私は愛されて生きていきたいの。
どうか、こんな私を許してください。