対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
『そう私は冴来の察する通り、主のろっこんによって動く身』
『この身が再びただの人形になるまでの時間は主もまた、まだつかみきれておりませぬ』
『あと1時間かもや、はたまた数分? それは私にも皆目見当がつかない事実』
(やや残念そうな様子で)
『されど、それまでの間であるならば、私は貴方の望みのままにふるまいましょう』
(そっと人形の手が花風さんの手に添えられる。冷たくなめらかな、人形の感触)
『温もりなき体であれども、その凍える心を温めれると信じて。ともにあらんことを』
『冴来はなぜ無理をしなければいけないのでしょうか。……聞いたところで解決できるかわかりませぬが、語るだけでも心は幾ばくか軽くなるかもやしれませぬ』
『どうか私めに語りくださいませ、冴来』