門から正面玄関に至る道は庭園を真っ直ぐ突っ切る形となり、旬ともなれば甘やかに煙る無数の薔薇に埋め尽くされる
蔦薔薇のアーチが弧を描く薔薇園には数カ所四阿が点在し、ニンフやミューズ、クピドやユニコーンに人魚など、幻想生物を模した大理石の彫像によって見守られている
庭園の隅には硝子の鳥籠に見立てられた温室もあるようだが、今は使われていないらしく傷み荒廃している
今日も此処には薫り高く薔薇が咲く……
下宿人もそれ以外もご自由に雑談どうぞ。薔薇園までならどなたでも出入り自由です。
庭園には古今東西の見事な薔薇が集められています。観賞、散策、お好きにRPしてください。
>シスター
はい、つい先日寝子島高校に編入したんです。
幼馴染が先に入ってるんですけど、学年が一緒でも科が違うので校内で会えるか少し不安です。
何せ生徒の数が多くて(苦笑しながら頭を掻き)
(シスターの子ども時代の話を聞いて、少し驚いた顔で)
そうだったんですか、今のシスターのお姿からだと意外……。
僕は体が弱くて、やはり皆と一緒に遊べないから本が心のよりどころだったんです。
グリム童話は僕も大好きです!
ブレーメンの音楽隊とか茨姫とか。
絵本だと綺麗な挿絵のものも多いし、何度読んでも胸をうつものがあるから……。
良い本があったらシスターにお教えしますね♪
そっか、シスターもまだ日本に来て間もないんですね。
教会かぁ。
僕も身の回りのことが落ち着いたら足を運んでみようかな。
>響也君
バイト……さん?
ああ、確かにこの屋敷は広いしシスター一人じゃ色々大変だよね。
あ、僕はここで下宿するレイ・ブライトンっていうんだ。
ここで働くならよろしくね!
いらっしゃい。バイト希望の方?大歓迎ですわよ
このお邸は広くて、私一人じゃ手に余りますの。薔薇のお世話とか地下書庫の整理とかシャンデリアの掃除とかお願いしたい事は沢山ありますわ
さあ、お寛ぎになって。貴方のお話を聞かせてください
失礼しまーす。
バイト募集してるって所、ここであって・・・(シスターみて何かを察した)・・・ますか?
出来れば雑用とかでバイトとして雇ってほしいんですが。
>レイ君
まあ……下宿希望の方ですのね?嬉しいですわ(ぱっと顔を輝かせ)
それは自立心旺盛ですこと。素晴らしいですわ。学校の寮……と言いますと寝子高の学生さんですか?
この邸は蔦薔薇の館と言われていますの。名前の通り薔薇園が自慢でして。残念ながら温室は壊れておりますけど……
どうぞ此処では気を楽にしてお寛ぎくださいね。
ファンタジー小説……私も本が好きです。それはもう恥ずかしがり屋で引っ込み思案な子供で……遊びの輪に加われず、はしゃぐ友達を遠くから眺めていました。そんな時、慰めてくれたのが絵本。特にドイツ発祥のグリム童話が好きで……
貴方とはご趣味が合いそうです。おすすめの本など教えてくだされば嬉しいですわ。
確かに日本は暖かいですけど、学生さんの本分は勉強。無理して風邪などお召し遊ばれたらいけませんわ(ちょっとおっかない顔を作り)
それに秘密はヒミツのままにしておいたほうがロマンチックですよ?この子だってたまには羽を伸ばしたいでしょうし……(ユニコーンの鬣を優しくなでて)
大丈夫、貴方が本当に知りたいとのぞむならいつかヒミツのほうから姿を現しますわ。神もそう思し召しです(胸の前で手を組む)
私も今年の春先に来たばかり、右も左もわからないのは一緒です。普段はこの近くの教会で働いておりますの。下宿の管理人は副業のようなものでしょうか……行き届かない事もあるかと存じますが、宜しくお願い致しますね
御機嫌よう。
お初にお目にかかります、シスター。
(声をかけられると人懐こい笑みを浮かべて向き合い)
僕、レイ・ブライトンって言います。
この屋敷でお世話になりたくて来ました。
使用人もいる学校の寮を勧められたんですけど、ちょっと一人立ちしてみたくて、それで……。
(少し恥ずかしそうに眼鏡のブリッジを押し上げてからユニコーンに再び視線を戻し)
ええ、とても気に入りました。
幻想生物、というかファンタジー小説とか好きなんです。
あは、これからの時期日本は大分暖かいんですよね。
なら夜に張り込んでみるのも面白そうです。
(悪戯っぽい笑みに無邪気に笑って)
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
なにぶん日本にまだ来たばかりで、ご迷惑をおかけすることになると思います。
シスターは日本に来られて長いのですか?
(四阿の長椅子にて シスターが膝に詩集を広げ寛いでいる)
麗らかな陽気ですこと。ブラウニングの詩を口ずさみたくなりますわね
……あら?あの方は(レイさんを見つけ腰を浮かせる)
下宿人募集の貼り紙を見て?それとも迷子?
ユニコーンの彫像に興味津々みたい。微笑ましいですね(くすり)
(驚かせぬようゆったりとした歩みでレイさんに近寄り)
ごきげんよう。この邸にご用ですか?
ユニコーンがお気に召した御様子ですね。今にも羽ばたき飛び立ちそうに躍動的な像でしょう?
夜になったら……さあ、それは実際に張りこんでみないとわかりませんわね(悪戯っぽく含み笑う)
申しおくれました、私はシスター・ゼシカ。
当館の管理人をしておりますの。以後よろしくお見知りおきを(優雅に膝を折りお辞儀をする)
(アンティークらしき年代を感じさせるトランクケースを右手に、メモを左手に持った少年がメモと辺りを交互に眺めながら門から入ってきて)
薔薇園になってるんだぁ、ここ。
あ、ユニコーン!
(正面玄関に向かうはずだったが、ユニコーンの彫像を見つければ目を輝かせて駆け寄り)
わー、わー、凄いなぁ!
躍動感があるっていうか、生き生きとしてる。
夜になったら動きだしたりしないかなぁ。