ダンシングで人類愛な祭りの準備｜リアクション

ダンシングで人類愛な祭りの準備

【ダンシングで人類愛なポスター制作】

　一方、チラシづくりと並行して、実行委員の蜂矢時生と八神修は、より大判の宣伝用ポスター制作に取り掛かり始めていた。
「……まあそんな感じで、おれ達はポスター制作をすることになったわけだけど……。実際、どうやって進める？」
「そうだな。俺は写真等の素材を生かしつつ、大胆に特殊効果をちりばめた、サイケデリックなポスターづくりに挑戦したいと思う。ソフトは体育祭のときに使ったものがそのまま使えるはずだ」
　修が、時生の問いに、思案顔でそう答える。
「……サイケデリック、かぁ。そういや今年のテーマにもあったな、サイケデリック」
　時生は思わず苦笑を漏らしつつ、自分なりに今年のテーマをモチーフにしたポスターのイラストを考えてみる。
「そうだなぁ。じゃあまずサイケデリックっていうぐらいだから極彩色でぐるぐる模様の背景にして。それを乗り越えるイメージで背景を破って、各国の人達が踊りながら飛び出してくる……とか？」

「……」
「……」

　二人は考え込み、しばし黙った。
「……うん、やっぱりセンスないな、おれ」
「いや、独創的でいいと思うぞ」
　修はそう言ってくれるものの、さすがにこのアイデアを押し通すことは時生にはできなかった。
「よし、テーマから考えるのはやめよう。案出し会議だ。八神はどんなのがいいと思う？」
「そうだな。俺はバレエのボレロのイメージで大量の踊るサンマが猫天使を持ち上げるデザインなんかがいいと思う。電撃のエフェクトも入れれば、よりサイケデリックな感じになるだろう」
「うん。八神も、何気に独創的……だよね。おれは……そうだな、流行らしい萌え絵とか……、あるいは学生らしく青春ラブとか、いっそコラ写真とか」
　そうして二人は互いの意見を戦わせつつ、ガリガリとラフ案を書き出していく。

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