そっくりさんが来た｜リアクション

そっくりさんが来た

　夜になっても、興奮冷めやらぬシーサイドタウン。
　その様子をはるかに遠望し、マイク・ジョーンズは笑った。
　噂には聞いていたが、変わった島だ。
　超人的怪力を発揮し、道端でバトルが始まると思えば、急にライブも開催される。
　仲睦まじい恋人たちが、急によそよそしくなったりする。
　日本オタクを自称する彼でさえ、予想外の出来事続きだった。

　そうして、マイク・ジョーンズは、自分とそっくりという、その滝原レオンという人物に思いを致す。
（しかし、そのタキハラさんという方は、そんなに私に似ているのデショウカ？）
　自分に似ているということは、それなりの美男だろう。謙遜ではなくそう思う。本国では舞台役者にスカウトされたこともある。
　話を断片的に察すると、こだわりがあって繊細で、可愛いものを好む青年らしい。
　複雑でデリケートな性格らしい。ただ、平和的で悪い人間ではなさそうだ。
（世の中には、似た顔の人間が３人いると言いマスし、こんなこともあるんですネ……）
　彼の――彼の現在が、幸せであればよいが。

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